vol.17 そもそも、私立中学受験をするべきか?

 

多くの私立高校では塾や教育関係者を対象とした学校説明会を実施します。

今年度はコロナ禍ということもあり、1学期はまったく実施されませんでしたが、ようやく始まりました。

 

先日、茨城県にある江戸川学園取手高校の説明会に参加しました。
私が中学生の頃は、現在ほど偏差値の高い高校ではありませんでしたが、ゴリゴリの進学校という感じでした。学校というよりも塾、予備校というイメージでしたね。

こういった進学校は大学合格実績で好結果を出し、偏差値がある程度あがると、良い意味で「品のある進学校」に進化します。
江戸川学園取手高校(以降、江戸取)もまさにそんな進学校です。

毎年、江戸取には訪問させていただき、高校入試担当の先生とも色々お話できるようになりましたが、お世辞抜きに良い高校だと菊地は思っています。
あくまで菊地個人の視点での話ですが。


特に、大学入試では医学部・歯学部・薬学部に毎年多くの生徒を合格させています。
昨年度は現役で計110名の生徒が医歯薬学部に合格しました。
医学部だけでも59名が現役合格です。「医学部に合格させるノウハウは持っています!」と江戸取の先生が豪語するのも納得です。

もちろん、勉強もかなりやらせていると思いますが、菊地が評価しているのは「中学生・高校生の段階から医療の現場を体験させる機会が多い」点です。例えば『アメリカ・メディカル・ツアー』です。世界最先端の医療事情を実感するために、カルフォルニア大学サンディエゴ校へ医療関係に特化した研修を受けに行くのです。アメリカで世界最先端の医療現場を体感してきた生徒が、帰国し勉強に対してヤル気にならないはずがありません。

ただガリガリ勉強させるのではなく、こういった「きっかけ」を数多く提供してくれる高校は本当に良い学校だと思います。

 

さらに驚いたことに、こういった医療現場を見て回る研修が、江戸取では中等部から行っているということです。中1から病院見学をするわけですが、ただ見てまわるだけではありません。専門技師から医療機材の説明を受けたり、縫合の体験や採血・人工透析の体験などをするそうです。医学の道を志している中学生であっても、なかなかこういった経験はできません。

私は高校受験が専門ですが、江戸取中等部が行っているこういった企画には大変感心しました。

 

そういえば最近、小学生のお子様がいらっしゃる知り合いの方に、中学受験をさせるべきか?ということを聞かれたことがあります。
そういう時に私は「とりあえず、どこでも良いから私立中学校に行かせれば…ということなら、私は中学受験をオススメしません。」と言います。

私立高校を多く見てまわっていると、その高校の敷地内にある中学校を目にしたり、その高校の先生に「私立中学校のリアル」を耳にすることがあります。

もちろん、江戸取中等部のような学校独自の教育プランがあったり、教育理念に親子共々、心から賛同する私立中学校があればオススメします。ですが、あまりよく考えずに公立中学校をただ回避するためだけの私立中学入試は、私が親であればやめておきます。

公立中学校に進学して、色々な先生や友人、先輩と出会い、苦労しつつも人生経験を積み、豊かな人間性を育む。その上で、子ども自身の意思で進学したい高校を選び、志望校合格に向けてひたすら努力する。私はそれが良いのではないかなぁ~と思うわけです。あくまで菊地の独り言です。

 

今回はかなり江戸川学園取手高校の宣伝っぽくなってしまいましたが、また色々な高校に訪問したらここでレポートしていきたいと思います。