東京都の決定に文句をつけるわけではありませんが、今回の都立高校入試における除外範囲の多さはちょっと異常です。
国語の漢字では「中3で学ぶ漢字を出さない」としましたが、東京都内で採用されている教科書会社は4~5社あります。新出漢字が登場するタイミングは、それぞれの会社が作っている教科書によって、微妙に異なります。
つまり、A社の国語教科書では中2で学習する漢字であっても、B社の国語教科書ではその漢字が中3で登場するという場合、その漢字は「2021年度都立高校入試では出題できない」ということになるわけです。ですから、今年度の都立高校入試で出題できる漢字は300字程度とも言われています。
また、菊地の専門教科である英語。都立高校入試の英語ではなんと!関係代名詞が出ません。関係代名詞を苦手とする受験生は多いので、みなさん喜んでいるかもしれません。でも関係代名詞が登場しない英語長文問題を、いったいどうやって作成するのでしょうか。入試問題作成者の方は相当苦しんでいると思いますよ。会話文問題を増やすしかないかもしれません。
一方で、千葉県は2021年度公立高校入試の出題範囲について、勇気ある決断をしたと思います。除外範囲はあるものの、実質的に「例年とほとんど同じ内容」の入試問題になりそうだからです。
千葉県教育委員会が7月14日にホームページで発表した「2021年度公立入試で出題しない範囲」は以下の通りです。
※千葉県教育委員会HPに掲載された令和3年度千葉県公立高校入試における配慮(PDF)
2021年度千葉県公立高校入試で出題されない範囲があるのは、数学・理科・社会の3教科です。
しかもそれらの除外範囲をよく見てみると、例年の千葉県公立高校入試ではそれほど出題されない範囲ばかりです。
ですから千葉県公立高校入試では例年通りに、国語の漢字も英語の関係代名詞もバッチリ出題されます。ですから、千葉県公立高校を受験する皆さんは「何が出題されて、何が出題されないか」を気にせずに平常心で、ほぼすべての範囲を入試本番までに勉強しておけば良いわけです。
千葉県教育委員会がようやく千葉県公立高校入試における出題範囲(除外範囲)を発表したことで、受験生のみなさんはようやく落ち着いて勉強できるのではないかと思います。
私立高校入試が2021年1月中旬から始まります。
つまり、受験生の皆さんの入試本番までちょうど6ヶ月です。
1日1日を大切にして、この夏を過ごしていきましょう。