この時期の三者面談はあくまで、現時点での「志望校の確認」です。ただ今年は例年と違います。模試もほとんど実施されていないし、まだ実際に高校を見学することもほとんどできずオンライン説明会を見る程度です。
このような状況にもかかわらず、学校の先生から「志望校はどこですか?」と聞かれても、志望校を言えるわけがありません。もしも頭の中で考えている高校がいくつかあれば、それを学校の先生にとりあえず伝えておきましょう。
高校入試で受験する高校は、最終的にお子様自身に決めてもらいたいと私は考えます。
もちろん親の希望もちゃんとお子様に伝えた上で、です。志望校選びというのは、お子様にとって、おそらく人生で初めて「自分の進路を自分で決定する」機会です。だからこそ、具体的に志望校を決定するのに時間がかかったり、なかなか決められない受験生の気持ちを私はよくわかります。
でも、お子様自身が本当に行きたいと思える志望校を決定できたら、日々の勉強に対する気持ちがガラッと変わります。
というわけで、今回は「志望校の決めポイント」6つをお伝えします。
①どの高校に行くか?より、高校で何をしたいのか?が大切
私の教え子で残念ながら某国立大学附属高校に不合格になり、千葉県立船橋高校に進学した生徒がいました。その生徒が高校入学後に冷静に言っていたのがこの言葉。深いです。偏差値だけで高校選びをしてはいけないということですね。
②今の偏差値はあまり参考にしない
模擬試験は今後、在宅ないし会場で実施されると思います。もしかすると、すでに1学期のうちに中学校で実力テスト(偏差値が出るテスト)を受験したかもしれません。志望校を考える際には、今の偏差値から+5ぐらいまでの高校であれば十分射程圏内です。過去には、夏の偏差値よりも+10高い高校に見事合格した教え子もいます。くれぐれも、今の偏差値だけを見て「私は受からない。」と勝手に落ちこまないようにしましょう。
③公立か私立かの選択は、自分の性格で判断
公立高校は基本的に自由です。今通っている公立中学校と大して変わらないどころか、もっと自由です。高校は義務教育ではありませんから、授業中に寝ていても先生が叱らない…という場面を私は何度も見たことがあります。一方で私立高校は「しっかり勉強させます!」という学校が比較的多いです。ですから、宿題や課題も山盛り…という学校も少なくありません。自分の意思でやることを決める高校生活を送りたいか、ある程度は勉強メニューがあってくれた方がヤル気になるか。公立高校か私立高校かで悩んでいる場合は、お子様の性格を踏まえて選択すると良いでしょう。
④大学合格実績ばかりを見ない
大学入試は高校入試の何十倍も厳しい試験です。「大学合格実績が良い学校に入学したら、私もほぼ自動で最難関大学に行ける。」…という保証はありません。ですから、大学合格実績にばかり注目した高校選びはやめておきましょう。
⑤通っている生徒の様子を見よう
高校の説明会では、通っている生徒達の様子を動画で見せてくれることがあります。その動画に映っている在校生の様子をしっかりチェックしましょう。「あ、この雰囲気は好きだな。いいかも。」とお子様が直感で思ったらOK。志望校の候補に入れて良いと思います。
もちろん実際に高校に行って、部活動や授業を受けている在校生を見ることもオススメします。ここでは、お子様の直感を信じましょう。親子でもこの直感にズレは生じますが。
⑥高校の授業内容が面白そうか?
高校生活の中心はあくまで授業です。肝心な授業そのものが、興味を持てる内容か?はしっかりチェックしておきましょう。
以上6つのポイントを、これから本格的に始める志望校選びで、ぜひ意識してくださいね。