vol.27 【勉強=暗記】という思い込みを外す

 

現中学3年生にとって、あまりに短い夏休みがもうすぐ終わろうとしています。8月24日頃から中学校の授業が始まるという地域が多いようですね。

例年であれば、8月31日までに公立高校・私立高校の学校説明会に多く参加し、志望校さらにはだいたいの受験校を決定する…というのが受験生の夏休みです。もちろん今年も、進学フェアや学校ごとのオンライン説明会は実施されていますが、やはり実際に高校に行ってみないと志望校さらには受験校を決定できないのが実情です。

 

そうなると、受験生である中学3年生もなかなか勉強に気持ちが入りません。

高校を実際に自分の目で見ることができない限り、高校入試にリアリティーを感じないからです。お子様がどうすれば勉強を自らやるようになってくれるのだろう?…これは受験生のお父様お母様共通の悩みだと思います。

 

私はこの夏休み期間に、ある塾の中3特訓授業(英語)を担当させてもらいました。担当したのは、基礎重視クラスです。初日に授業に入ってみると、生徒たちは元気がない…(汗)。暑さのせいもあると思いますが、おそらくお父様お母様に半ば強制的に参加させられたんだろうなぁ~ということが彼らの表情から如実に伝わってきました。

 

このように勉強に対するモチベーションがなかなか上げられない生徒というのは、【勉強=暗記】とだけ考える傾向が強いです。私がこの夏、英語を教えた中学3年生も最初は「結局、暗記すれば良いんでしょ?」という感じでした。

ところが、私がこの夏に担当した中3生はたった3日間で、苦手だった英語を自ら進んで勉強するようになりました。授業開始前には、私が何も言わなくてもノートや単語帳を見直すように変化したのです。

 

いったい彼らはなぜ3日間という短期間で劇的に成長したのでしょうか?

私が鬼軍曹になり、ビシバシ厳しく指導したわけではありません笑。

子どもたちが学んできた英文法の1つ1つを「納得」できるような授業を展開しただけです。

 

ひと昔前であれば、ゴリゴリやらせるだけの勉強法は通用しました。

でも、今の子どもたちには「とにかく覚えろ!」「とにかく問題を解け!」というアプローチは効果的ではありません。

 

自ら勉強に向かう子どものキーワードは「納得」です。

もちろん覚えなければいけない知識はあります。ここで大切なことは、闇雲に暗記させるのではなく、まずはその根拠を子どもに納得させることなんです。

 

例えば、

 

・英語における様々な表現や構文は、なぜそういう形になるのか?

・1つ1つの公式や定理はなぜ成立するのか?

 

など、これから知識にしていくことになる様々な事柄について、その背景も含めて子どもに「納得」してもらう。さらには「なるほどね~そうなんだ!」と感動してもらう。

そういった納得と感動があって初めて、子どもはその知識に興味を持ちます。興味さえ持てば、それを暗記することに何の抵抗もありません。むしろ何の負担も感じずに、すんなりとその知識を理解し自らの血肉にしてくれることでしょう。

 

これは単に教科の勉強だけに限ったことではありません。

そもそも高校になぜ行くのか?高校さらには大学に進学して、どんな学問を研究するのか?どんな職業に就きたいのか?そういった将来のビジョンを親子である程度、明確にさせること。それによって、≪将来の職業→大学→高校≫と「逆算」で自身の人生プランを見つめ考えることができるわけです。

志望校に進学する明確な理由ができて、その高校を目指す勉強をすることに「納得」する。このようなプロセスを経て志望校を決定した受験生は、かなりの確率で第一志望校に合格します。

 

勉強さらには志望校選びにおいて、カギとなる「納得」。

皆さんもぜひ意識してみてくださいね。