vol.29 千葉県公立高校入試 ココに注意しよう!

 

千葉県だけでなく各都道府県にある公立高校は、『入学者選抜の選抜・評価方法』をホームぺージに掲載します。その掲載が始まるのがちょうとこの時期なんです。

 

私は、千葉県内の第2学区・第3学区(1都3県で千葉県だけが未だに学区制)にある12校のホームページをチェックしてみました。どの学校も『R3 入学者選抜の選抜・評価方法』というタイトルでアップされていました。

 

実はこの選抜・評価方法。

受験生や保護者の皆様はあまり見ないかもしれないのですが、注意してほしいことがあります。

それは各高校が公表しているこの文書に書かれている『審議の対象』という言葉です。

 

審議の対象…つまり、テストの点数や内申点だけでなく、各高校が示した条件に引っかかってしまうと「この受験生を合格にしますか?不合格にしますか?」という話し合いが行われるということです。ちょっと怖いですよね。

さらに怖いことに、この審議対象となる条件が各高校によって異なるんです。ですから、皆さんが受験しようとしている公立高校の選抜・評価方法は必ずチェックしておいた方が良いんです。中学校の先生も塾の先生も、このことをあまり教えてくれないんですけどね。

 

というわけで、私が調べた12校の『審議の対象』となる条件を表にしましたので、見てください。

 

2021年度  千葉県  第2学区・第3学区の一部高校
公立高校入試  審議対象・学校設定検査内容等の確定情報
※ イデアル菊地 調べ

高校名 偏差値 審議の対象となる事項 学校設定検査 内容 調査書
県立船橋 普通 67 3年間で欠席日数が30日以上 作文(50分)

500~600字(10点)

0.5
理数 66
東葛飾 普通 66 いずれかの学年において欠席日数が30日以上ある場合 作文(50分)

500~600字(60点)

0.5
小 金 総合 62 評定1もしくは未評価の教科がある場合 作文(50分)

500~700字(10点)

0.5
県立柏 普通 60 評定1もしくは未評価の教科がある場合、各学年において欠席日数が10日以上ある場合、行動の記録に〇が1つもない場合、テストで30点以下の教科ある場合 集団面接(15分)

生徒6:先生2(15点)

 
理数 59
鎌ヶ谷 普通 58 評定1がある場合、中3時の欠席日数が10日以上ある場合、行動の記録に〇が1つ以下の場合、テストで10点未満の教科がある場合 口頭による自己表現(3分)

個人       (20点)

 
柏 南 普通 57 評定1もしくは未評価の教科がある場合、各学年における欠席日数が10日以上の場合、行動の記録に○がない場合 作文(50分)

500~600字(20点)

 
幕張総合 総合 56 評定1がある場合

各学年における欠席日数が30日以上ある場合

①個人面接(1分)(20点)

②口頭による自己表現(2分)

(30点)

 
看護 54
松戸国際 普通 55 未評価の教科がある場合、3年間で欠席日数が30日以上、行動の記録に○が1つもない場合 集団面接(12分)

生徒6:先生2(20点)

 
国際 53
柏中央 普通 53 評定1または未評価の教科がある場合、3年間の欠席日数が30日以上ある場合、行動の記録に○が1つ以下、テストで1教科でも30点以下がある場合 集団面接(15分)

生徒5:先生3(15点)

 
柏の葉 普通 52 評定1または未評価の教科がある場合、各学年における欠席日数が10日以上ある場合、行動の記録に〇が1つ以下、テストで30点以下の教科がある場合 集団面接(15分)

生徒5:先生2(30点)

 
情理 51
我孫子 普通 48 欠席日数が3年間で20日以上の場合、内申点90点未満or 100点未満で1教科でも評定2がある場合、行動の記録に○が1つ以下、テストで1教科でも20点未満がある場合 ①作文800字以内(60分)

②専門実技の自己表現(60分)

(①②で計70点満点)

おおたかの森 普通 46 評定1または未評価の教科がある場合、各学年で欠席日数が10日以上or 3年間で30日以上ある場合、行動の記録で○が0個、テストで1教科でも30点未満がある場合 集団面接(15分)

生徒6:先生2(30点)

 
国際 43

※偏差値 …「県立そっくり模試」(進学研究会主催)合格可能性60%の数値
※高校によって、特別活動や部活動での実績が点数化されて総得点に加算されます
※調査書 … 2021年度入試で内申点が0.5倍される学校のみ表記。無記載の学校は内申点1.0倍で算出

 

どうですか?

高校によって、提示している条件が大きく異なりますよね?

今回私が調べてみた12校の中で、最も厳しい条件を出しているのは我孫子高校です。偏差値自体はそれほど高くはないのですが、内申点90点未満もしくは内申点100点未満で1つでも「2」があると、審議対象になります。我孫子高校は以前から、審議対象の条件が厳しいのですが…相変わらずです(汗)

 

「審議対象をなぜそんなに怖がるの?」

と思われている方もいるかもしれませんね。確かに、私は「審議対象」恐怖症です。

過去に私が教えていた生徒で、この審議対象に該当する項目があったことで不合格になったケースがあるからです。5教科のテスト点は例年の合格最低点(菊地予想ですが)を十分取ることができていたのに、です。もちろん答案用紙に名前を書き忘れたかもしれないし、実際の点数が実は自己採点よりも低かったという可能性もあります(この生徒は入試後の点数開示請求をしてくれなかった)。

ただ、そういったミスをする生徒ではなかったので、私としては『審議の対象』に該当したことが不合格に大きく影響したと今でも思っています。

 

ですから、千葉県公立高校を受験しようと考えている方(他都県の公立高校を受験する方も)は、必ず受ける高校のホームページで『入学者選抜の選抜・評価方法』をチェックしてください。万が一、志望校の審議対象の条件に該当してしまった場合は、戦略として受験校を変更することもあり!だと私は思います。

 

今回は千葉県公立高校入試のちょっと怖いけど、とても大切なお話でした。