vol.30 週刊 東洋経済 8月29日号

 

すでにご購入され読まれた方も多いかと思いますが、週刊 東洋経済 8月29日号『本当に強い高校』特集が掲載されています。特集のコンテンツは、

〇 新受験時代に勝つ高校

〇 子が際立つ選択肢

〇 名門公立校の底力

〇 大学付属校の真の魅力

〇 大学合格力ランキング

 

という感じです。高校別大学合格者数ランキングなど、色々な週刊誌で毎年特集されますよね。私も職業柄、そういった特集記事はサラッと目を通すようにしていますが、8月29日号の東洋経済はかなり力が入った特集で、記事の中身はとても濃いように思いました。

 

名門公立校では全国的に、これまで2番手校や3番手校と位置付けられてきた学校が大学合格実績の面で大躍進していると言えます。千葉県に長年住んでいると「公立高校がそんなに大学受験指導をしてくれるわけがない…。」と思ってしまいますが、それは千葉限定の話かもしれません。

東京都、神奈川県、茨城県、埼玉県など近隣都県では、大学受験指導やアクティブラーニング、ICT教育など多様な方面で個性を発揮し、結果を出している公立高校がとても多いです。

千葉県で生まれ育ち、千葉県が大好きだからこそ言いますが…なぜ千葉県の公立高校は他都県公立高校に比べてしまうと、魅力がイマイチなんでしょうかね。

 

東洋経済の『本当に強い高校』特集を読んで、改めて確信したことがあります。

それは、教員のあり方です。

 

生徒に何かを教え込むのではなく、生徒が自ら疑問を発見し多面的にそれを分析し結論を出すよう「導く」ことこそが、これからの教員の存在意義です。導き役、つまりファシリテーターとして教員がうまく機能している高校こそが、これからのトレンドとなる高校であり、今回の特集記事で紹介されていた高校であろうと私は考えます。もちろん、「あれ?あの〇〇高校は、なぜこの記事に載っていないんだろう…?」と私が不思議に思った今回紹介されなかった高校もたくさんありますが。

 

さらに、スペシャリストを養成する環境が構築されている高校も、大きなトレンドになりつつあります。

一番わかりやすいのは、高等専門学校いわゆる高専です。3年制ではなく5年制のカリキュラムですが、入試を受ける際に専攻するコースや学科を決定してしまいます。機械工学科や情報工学科、環境都市工学科などです。そして入学すると1年時から、多くの時間を研究や実習に費やします。このように大学理工学部顔負けの研究に5年間没頭することで、卒業時にはその道のスペシャリスト(の卵?)にまで、子どもは成長するわけです。

 

そもそも高校って、何をする場所なのか?

中学校よりもハイレベルな学問を学ぶことで、自分自身が大学や大学院で研究したい分野を発見するのが高校…私が中学生高校生の時は、そう教えられた気がします。

 

しかし、今の中学生高校生は持っている情報量が、私達が子どもの頃と大きく異なります。今の子供たちの中には、小学生中学生の段階で自分が研究したい分野が決まっていたり、すでに小中学生のうちから独学で研究している子も少なくありません。

このような強い志を持ち、研究環境を求めている子どもにこそ、高等専門学校をはじめとする「スペシャリストを養成する環境を持つ高校」はピッタリだと言えます。

 

ですから、国公立高校・私立高校問わず、単に授業を聞くだけではない教育を本当に展開している学校にこそ、皆様のお子様には通っていただきたいと私は思っています。