高校入試が本格的に始まる1月中旬まで、あと3ヶ月になりました。
「まだ3ヶ月ある」と考えるか、「もう3ヶ月しかない」と考えるか。いずれにせよ、これから入試が始まるまでの1日1日をどうやって過ごすか?は、受験生にとってとても大切です。
その一方で、受験生のお子様を抱えるお父様・お母様の中には「本当にウチの子の高校受験は、大丈夫なんだろうか?」と常に心配してしまう…という方が少なくないと思います。
そこで前々回ブログに続き、『受験生の親 心がまえ PRAT.2』をお送りします。
タイプ② 不安と心配で一人悩む 不安心配先行タイプ
【お父様・お母様の行動】
・家での子どもの様子を見て、悲しくなり悩む。
・模試や中学校の成績を見て、絶望する
・「入試で失敗したら…。」と先回りして悩む。
・同級生のママ友とできるだけ顔を合わせたくない。
マジメなお父様・お母様にとっては、これから入試が終わるまでの4カ月ちょっとは本当にキツイです。受験生であるお子様がすでに受験モードに入って、自分から進んでガンガン勉強してくれている…なんて家庭は、ほんの数%です。
中学校から帰宅しても、テレビをつけてドラマの再放送を観ていたり、動画やゲームに夢中になっていたり、ひたすら寝ていたり…そんな中3生はまだまだ多くいます。
ですから「本当にウチの子は受験、大丈夫なのか?」と皆様が常に心配になってしまうのは、とてもよくわかります。
ただ、皆様のその心配がゼロになることは、すべての入試が終了する2月末までありません。お子様がめちゃくちゃ勉強するようになっても「大丈夫かな~?」と思い続けるはずです。さらに言ってしまうと、高校入試が終わって、お子様が高校に入学しても「大丈夫かな~高校の授業についていけるかなぁ?」と、また新たな不安が誕生します。
では、なぜこんなにお子様のことが心配で不安なのでしょうか。
それは、心の奥底で「お子様を信頼していない」のかもしれません。
信用と信頼という言葉は似ているようで、実は意味が異なります。
信用はこれまでの経験に基づく評価として信じることです。信頼は「まず無条件に信じることから生まれる期待」を意味します。この「無条件に」というのが、とても難しいですよね(汗)。もう10月中旬だというのに、まだ本気で勉強しない我が子を見て、無条件に信頼??信じる??と疑問に感じる方もいるかもしれません。
これまでに私が指導してきた、ある中3生Aくんの話です。
お母様がとても心配性で、Aくんの何もかもが不安。模試の成績が上がっても不安。そんな時に私が、
「お母さんに私からお願いがあります。Aくんを少しずつで良いので無条件に信じてみましょう。こんなにAくんのことを考えてくれるお母様のお子さんですよ?Aくんは大丈夫です。自分の責任でしっかり勉強して、必ず入試で最高の結果を出してくれます。ですから、お母さんは良い意味での覚悟を決めて、ゆったりとしていてください。それができたら、Aくんはもっともっと伸びますよ。」
とお母様にお願いしたんですね。そのお母様は幸いなことに、私をとても信用してくれていたので、少しずつ無条件に子どもを信じるキャンペーンを実践してくれたんです。
すると、Aくんの表情は日に日に良くなり、勉強に主体的に取り組むようになっていきました。わからないことがあれば、塾の先生にすぐ質問し、納得がいかなければとことん塾に残って先生と議論していました。Aくんは第一志望校である国立大学附属高校に見事合格しました。
このお母様からAくんに対して「無条件に信頼するよ!」と、公言したわけではありません。お母様の信頼という思いが、Aくんの心に自然と伝わったわけです。よく「中3ともなると、親の言うことを子どもは聞かない。」とおっしゃるお父様・お母様がいますが、私は「いやいや、お子様は常にお父様・お母様をよく見ていますよ。」とお答えします。言葉にせずとも、親の気持ちや想いを子どもは、とても敏感にキャッチします。
実は志望校合格に一番大切なことは、この『親の思い=お子様への信頼』だと私は思います。
親が不安な思いでいると、その思いはお子様に必ず伝わります。親が無条件に信頼していれば、お子様はその親の想いに喜び、期待に応えようとします。高校受験というのは、技術だけでは成功を勝ち取れないと私は思っています。