vol.65 法政大学第二高校・明治大学付属明治高校 2021年度入試結果から考える

 

MARCH附属高校で2021年度入試結果(倍率)を、なかなか公表しなかったのが法政大学第二高校・明治大学付属明治高校・法政大学国際高校の3校です。

3校のうち法政大学第二高校と明治大学付属明治高校は、ようやく2021年度入試結果を公表しました。法政大学国際高校は4月12日時点でまだ公表していません。

 

2021年度高校入試結果

高校名 入試種類 男女 受験者数 合格者数 倍率 備考
法政大学第二 書類選考 男子 205 205 1.00 第一志望者対象入試
女子 149 149 1.00
学科試験 男子 420 103 4.08
女子 263 82 3.21
明治大学付属

明治

推薦入試 男子 54 17 3.18 第一志望者対象入試
女子 51 16 3.19
一般入試 男子 299 106 2.82
女子 228 104 2.19

 

法政大学第二高校。

書類選考は、①高校が示す成績基準(中学校の通知表)をクリアすること②第一志望者であること、の以上2点が受験条件になります。ただ①の成績基準をクリアすればほぼ合格です。学科試験はいわゆる一般入試です。募集定員が少ない(男子70名 女子55名)こともあり、毎年激戦になります。ただし女子は2018年度入試(4.25倍)から4年連続で緩やかに倍率はダウンしており、2021年度入試では3.21倍になりました。

法政大学第二高校は、神奈川県内にある私立高校の中では慶應義塾高校・慶應義塾湘南藤沢高校に次ぐ難関校です。ただ卒業生のほとんどが法政大学にそのまま進学します。法政大学に魅力を感じる学部学科があるのであれば、法政大学第二高校に進学するという選択肢はありだと思います。一方で「絶対に法政大学に行きたい!」と心が定まっていない受験生は、横浜翠嵐高校や湘南高校、柏陽高校といった公立トップ校に進学する方が良いでしょう。

 

明治大学付属明治高校。

推薦入試の倍率が3倍を超えました。推薦入試を受験するには2つの基準(中学校の通知表)が設けられています。

 

A 学業

[通知表基準]

9科38以上かつ5科22以上、9科に2が1つもないこと

 

B 課外活動

[通知表基準]

9科36以上かつ5科20以上、9科に2が1つもないこと

[課外活動 いずれかを満たす]

① 生徒会会長(1期以上)もしくは副会長等生徒会役員(2期以上)

② 運動部 都道府県大会ベスト8以上もしくは全国・関東大会出場

③ 文化関係 都道府県レベル以上のコンクール・コンテストに入賞以上

 

上記のA・Bのいずれかの条件を満たすと推薦入試を受けることができます。3倍を超える倍率になるということは、それだけ中学校の成績が良い受験生が殺到するということですね。

一般入試では男女それぞれで、倍率の動きが異なります。男子倍率はが上がる→下がる→上がるを繰り返します。2021年度入試では男子倍率が昨年度比で上がりましたので、2022年度入試ではやや倍率が下がるかもしれません。女子倍率は2019年度3.86倍、2020年度2.60倍、2021年度2.19倍と著しく下がってきています。ただ2022年度入試で女子倍率が2倍を切るか?は怪しいところです。これだけ倍率が下がってくると、女子受験生が逆に殺到する可能性もあるからです。

 

MARCH附属高校の入試倍率は、2021年度入試でも異様なまでに高い数値でした。正直に言うと、「ちょっと人気が上がり過ぎでしょ?」というのが私の率直な意見です。

MARCH附属高校への進学を考える際には「その附属大学に学びたい学部学科があるのか?」を必ずチェックしてください。また、高校生活においてMARCH附属校というメリット以外に、おこなわれている教育にどのような特徴があるかも要チェックです。もちろんMARCH附属高校に進学して、他国私立大学を受験し合格する生徒もいますが、それはほんの一握りの生徒です。

このようなことを冷静に考えた上で、MARCH附属校を受験するかを決めていただきたいと私は思います。