vol.75 私立高校過去問題集を賢く使う方法7

1都3県にある私立高校の入試は1月中旬の千葉県・茨城県に始まり、1月22日~25日あたりで実施される埼玉県・東京都(単願推薦入試、千葉県・埼玉県・茨城県在住の生徒のみを対象とする併願推薦入試)、2月10日前後に実施される東京都・神奈川県(一般入試、東京都・神奈川県在住の生徒を対象とする併願優遇入試)…という順番に行われます。

つまり、私立高校入試は東京都・神奈川県にある学校を除けば1月中に実施されるわけです。ちょうど3カ月後ですから、そんなに先の話でもありませんね。

 

受験生のお子様が通われている塾によっては、11月下旬から私立高校の過去入試問題(過去問)を解き始めるようですが、もう「今すぐ」解き始めるべきだと私は考えます。

というわけで、今日は私立過去問の賢い使い方について箇条書きでご説明します。

 

◎私立過去問を賢く使う方法7

 

(1) 購入する私立過去問は、受験する私立高校すべてのもの。ただし、併願確約・一般併願優遇をもらっていて、ほぼ合格が約束されている私立高校の過去問は購入しなくても良いです。

 

(2)私立過去問を解くペースは「1校1年分を1週間」。この1週間のあいだに、不正解問題の解き直しや質問、関連知識の再インプットまで行います。

 

(3)私立過去問を解く順番は「古い年度から」。昨年度入試の最新問題から解いてしまうと、点数が悪い場合(そもそも最初はどんなに優秀な受験生であっても高得点は取れません)にショックが大きいので。

 

(4)必ず試験時間を計ること。ただし、入試本番の試験時間よりもマイナス5分(慣れてきたらマイナス10分)で解くこと。入試本番はどんな受験生であっても慎重になり、問題を解くスピードが遅くなるからです。そのスピード低下を想定したトレーニングです。

 

(5)その年度の過去問すべての教科を解き終えたら、自己採点をしましょう。ただし、自己採点は厳しめに行います。漢字や英単語のスペルミス、数学の数字が読みにくい等は必ずバツにしてください。

 

(6)たいていの私立過去問には年度ごとの合格最低点が載っています。合格最低点が載っている場合は、

① 合格最低点にあと何点足りないか?を確認する

② 各教科の合格者平均点(もし記載されていれば)と自分の各教科の点数の差を確認する

実はこの作業がとても大切です。今の自分の学力・得点力がどれぐらいなのか?を正確に知ることで、今後の勉強の指針も見えてきます。

 

(7)自己採点まで終わったら、約1週間をかけて不正解問題の解き直しです。「そもそも解説に書かれている意味が理解できない!」というケースが多々発生します。そういう場合はお子様が通っている塾の先生や、中学校の先生に積極的に質問をしましょう。

 

以上が高校入試過去問題集を賢く使うポイント7です。

ただし、過去問はあくまで過去問です。同じ問題が出題されることはその高校ではありません(開成高校や渋谷幕張高校が入試問題として使った問題が、10年後ぐらいに他私立高校で出題される…ということはよくありますが)。ですから、くれぐれも答えや解き方を丸暗記するようなことは絶対にしないようにしましょう。