vol.88 高校入試直前 12月の勉強法9ヶ条

 

私立高校の入試が1月中旬から本格的に始まりますから、あと1ヶ月ちょっとで受験生の皆さんは入試本番に臨むことになります。
塾に通っている方も多いと思いますが、塾では「ひたすら入試問題を解きなさい!」と言われるだけになります。
しかし、この12月の家庭学習は第一志望校合格に向けた大きなポイントとなります。1月になれば入試がドンドン始まりますから、じっくり勉強できるのは12月が実質的に最後だからです。

ただこの時期の受験生からよく聞かれるセリフは、

「復習をする時間が足りない。」

「何を勉強すればいいかわからない。」

「塾の宿題をやるだけで精一杯。」

やらなければいけない勉強が多いからこそ、優先順位がつけられず、ただ問題集を解いたり塾の宿題をやるだけで1日が終わってしまう。そういう受験生が多いのが実情です。

そこで12月はどんな勉強を自分でしておけば良いかをご説明します。

 

【 12月の勉強法 9ヶ条 】

今こそ、これまでに受験してきた模試の問題を見直す
模試を受験すると自己採点をしたり、まちがえた問題を解き直すことはしてきたと思います。
ただ9月や10月の頃と入試直前期の勉強に対する緊張感は、大きく異なります。当然、まちがえた問題の解き直しに対する意識も秋はそれほど高くなかったはずです。
ですから、この1年間で受験してきた模試(不正解問題のみ)をもう1度、解き直したりチェックしてみることは今こそやる意味があるわけです。
「模試の成績がイマイチ上がらない。」という受験生にはぜひ模試の解き直しをオススメします。

受験する高校の過去問は週1回ペースで解く
受験する私立高校の過去問は週1回ペースで解きましょう。土曜日、日曜日で過去問を1回分解いて、平日には解き直しをしたり、わからない問題を塾や学校の先生に質問する。それらすべてを1週間かけてやりましょう。

今だからこそ、弱点分野や単元の重要知識をもう1回覚え直す
「高校受験 勉強法」とインターネットで検索すると、「この時期はとにかくアウトプットをしましょう!」とあります。
もちろん問題演習を積極的に行うことは大切なのですが、知識が抜けているのにただ問題を解いたとしても、それは単なる作業になってしまいます。ですから、模試や過去問の点数がイマイチ伸び悩んでいる…という方はぜひ知識のインプットを、毎日の家庭学習時間に今こそ組み込んでください。

5教科入試の高校を受ける場合は、中学校の休み時間は理科・社会の教科書を読む
12月ともなると「中学校の教科書?そんなの読んでいるヒマはない!」と思う方も少なくないでしょう。それは大きな間違いです。
特に公立高校の入試問題は、中学校の教科書に書かれている内容から出されます。ですから原点に戻る意味でも、中学校の教科書を読むことは今だからこそ大切です。ただ教科書を読むのではありません。理科であれば実験方法やコラム、社会であれば文章ページの両サイドに載っている資料やグラフをしっかりチェックするのです。この時期ともなると、読むだけでも知識になります。皆さんの勉強に対する意識はかなり上がっていますから、以前とは集中力が異なります。ですから目にするだけで、知識が自然と頭に入ってくるわけです。というわけで、中学校の教科書を読む習慣をつけましょう。

1教科あたりの勉強時間は30~40分程度にする&1日3教科は勉強する
寒くなってくると、なぜか眠くなりますよね。
ですから1教科を1時間、2時間と勉強していると目は起きていても脳は寝てしまっている…ということが起きます。ですから、1教科の勉強時間は30~40分で区切るようにしましょう。1教科40分×3教科で120分。それを2セット繰り返すことができたら完璧です。

第一志望校を改めて見に行く
これは勉強法ではありませんが、大切なことです。
勉強をひたすらしていると「何のために勉強しているんだろう…。」と心がさまよってしまうことがあります。こういう時は原点に返りましょう。第一志望校を今こそ、もう1回見に行くのです。別に校内に入る必要はありません。高校の門の前や高校の周りを1周するだけで構いません。自分が目標にしている高校を改めて目にすることで、勉強に対する意識を再び上げる。それが目的です。

中学校の休み時間には、親しい友人と問題を出し合う
中学校の休み時間は10分ぐらいでしょうか。1日5時間授業とすると、休み時間は1日50分。それが週5日あるわけですから計250分です。
この休み時間を友人と問題を出し合うクイズタイム(どの教科でもOK)にすると、実はかなり効果があります。「時間が足りない!」といつも思っている方にはオススメです。

一人で孤独に勉強する
この時期になると、どんな受験生であっても不安な気持ちが大きくなります。
一人でこの不安と戦えるぐらいのタフさを持っている方もいると思いますが、たいていの受験生は耐えられません。ですから友人と一緒にいたり、友人とおしゃべりしていることで不安から逃げたい!と思うわけです。
もちろん同じ不安を抱える友人と話をすることは楽しいです。
ですが、時は誰に対しても平等に過ぎ去っていきます。友人とおしゃべりをして時が過ぎるのを待つか。余計なことを考えずに、1分1秒を大切にして勉強と向き合うか。この選択は第一志望校に対する思いが強ければ、どちらがベターかはわかると思います。勇気を持って孤独になることは、この時期こそ大切なんです。

キッチンタイマーなどで細かく時間を計って勉強する
この時期になると、家庭学習で解く問題もかなり難しいものばかりです。
集中力が持続していれば問題ありませんが、たいていの場合、難しい問題を解いているとついボーッとしてしまうことがあります。机に向かったまま眠ってしまうこともあるでしょう。そんな時に活躍してくれるのがキッチンタイマー(スマホのタイマーでもOK)です。大問1題、問題集1ページを5分10分と細かく時間を計って解く。そうするだけでも、集中力と緊張感を持って勉強に取り組むことができます。

 

以上、12月の家庭学習で受験生の皆さんに意識していただきたい勉強法9ヶ条を紹介しました。気に入った項目があればぜひ実践してみてください。